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編集長のひとりごと014
見えない基礎

見えない基礎

 10号の田原賢さんの「分かりやすい木造建築の構造学」に掲載されている施工現場の写真をご覧下さい。「柱が乗っている土台が宙に浮いている。見えない基礎があるのかな?」(上)笑い話ではありません。あなたの住宅でも同じようなことが起こっているかもしれないのです。さらにこれが最近撮影されたものだと聞くといささかの背筋が寒くなります。阪神大震災を経験した関西で「いまだに何で?」という思いがつのります。
 そして、原因の多くが、手抜きではなく、知識の欠如であるところが、実は大きな問題なのです。いくら丁寧で、熱心に仕事をしてもらっても、これではどうにもなりません。思いの外に根は深く、長い間、規模の小さな木造住宅に関しては、法的な規制が存在しなかった、いいかえれば放任してきた我が国の住宅建築に対する行政の考え方に端を発しているのです。臭いものにはフタをし、見ないふりをして、何でも先送りにしてきたツケが回ってきている日本経済の現状と同じです。もちろんコストもあるでしょうが、我が国の気候風土に最も合った住宅として木造住宅が見直されようとしているだけに、抜本的な解決策が講じられることが必要です。はたして品確法がその役割を果たせるのでしょうか。

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