最近、我が家の一員に一羽のハトが加わった。名は「ピョンちゃん」という。車とぶつかったのだろう、お盆に阪神高速の出口でうずくまっていたのである。獣医さんによれば、頭蓋骨の一部陥没、右翼は数ヶ所で複雑骨折しており一両日が峠とのこと。生存の可能性は2割程度、回復しても飛ぶことはまず無理という診断だった。万一、助かったら我々が飼うなら、野性動物なので治療費はいらないという。自分で水も飲めず、立っているのがやっとという状態だったが、奇跡的にもち直し、2週間後に引き取ることになった。
通常、ハトのような大型の鳥のカゴは高さのあるものを使うらしいが、飛ばずに動き回るだけなので床面積の広い方がいいだろうとウサギのカゴが「ピョンちゃん」のケアハウスとなった。個々の状況に応じた対応は、最近話題の介護とも通じる話である。いや、簡単に住まいまで変えられるところなど、人間よりもいいのかもしれない。それから一カ月余り、右翼は垂れ、頭も左側が歪んだままであるが40〜50cmなら羽根をバタつかせて飛びあがれるまでになった。