CwOnlineFrom editor>026-面白い本に出会いました

編集長のひとりごと026
面白い本に出会いました

鎖国のススメ

「鎖国ノススメ 21世紀への警世」山根浩嗣著 日経大阪PR発行
 定価(本体1,714円+税)

「カーサウエスト」の広告でお世話になっています株式会社三輪の山根さん(会長?)が本を出版されました。手がけられている建材関係の話ではなく、海外での豊富な経験に基づいて国際社会で現在、日本が置かれている状況から先の見えない日本経済の低迷の打開策についてまで、厳しくシニカルに分析し進むべき方向を提示されています。題して「鎖国ノススメ」。
これを一冊読んでから国際情勢や日本経済の惨状に関する報道を見ますと、なぜこうなったのかがよく分かり、なるほどということもいろいろ出てきます。
なかなか面白く、外務省のお役人にもぜひ一読を進めたい本だと思います。それにしても山根さんの知識と豊富な経験には脱帽です。経済や国際情勢といった難しく考えずに、気楽の諸外国の対日本人観といった読み物としても楽しめます。
山根さんの提言のように、グローバル化という言葉に躍らされていたら、日本が長年培ってきた優れた技能や技術もあっという間に消えうせてしまいそうです。グローバル化のためのISOでなく、ジャパンスタンダードの確立がこれほど必要とされている時も無いでしょう。ただ残念ながら多くの日本人がそこに気づいていない歯がゆさを山根さんは「鎖国ノススメ」という言葉に収斂されています。それにしても山根さんの知識と経験の豊富さには脱帽です。海外旅行前に読んでいかれるとその国の全く違う面が見えるかもしれません。
住宅や建築の本ではありませんが、これからの日本の行方を知り、その中でサバイバルしていく方法を見つけるためにもぜひご一読をおすすめします。(伊東昭夫)

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