CwOnlineFrom editor>024-デフレ時代、こだわりが勝つか、安さが勝つか?

編集長のひとりごと024
デフレ時代、こだわりが勝つか、安さが勝つか?

 平日半額のマクドナルドに始まった外食デフレ時代。あちこちで2年も前なら考えられないような金額のメニューを眼にします。果たしてこれで利益があるのでしょうか。もしあるとすれば、これまではなんやったんやとも思ってしまいます。ところでみそ汁付き290円の「松屋」のカレーを食べたことはありますか。何でカレーにみそ汁やねんなどと野暮なことは抜きにして、値段から想像する以上に結構美味しいのです。600円、700円出してもこのレベルに到達していないカレーも意外と多いですよね。吉野家に比べるとメニューの豊富さにも人気があるのでしょうが、この味でこの値段、お昼は店外にまで人が並ぶのが分かります。しかも狂牛病の不安が出れば、素早くチキンカレーに変えるという対応のよさ、ちょっとやそっとでは真似のできない経営感覚です。
 ところで、松屋以外にも事務所の側にお昼どきには表にまで人が並ぶカレー屋さんが2軒あります。一軒は最近開店したお店で「わざものや」のなんと品名が上等カレー、生卵入りで800円、大盛りは200円増しです。もう一軒は知る人ぞ知る「ハチ」、こちらは激辛カレー一本槍の900円。途中で水を飲むと辛さを感じるので水も飲まずに一気に食べるのが通だそうです。私はここまで辛いのは一寸弱いのですが、ファンには堪らないようです。いずれも個性を持たせて差別化することで外食デフレ時代にファンをがっちりつかんでいます。290円か、800円か、はたまた900円か、この勝負はまだまだ続きそうです。290円のお昼も確かにありがたいのですが、味や質へのこだわりも残って欲しいものです。いいものならそれなりの値段が通用する、趣味・嗜好といった感性に訴える商品なら、まだまだ新しいものが考えられると実感しました。とはいっても多少なりとも余裕があればの話ですが。

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