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編集長のひとりごと022
続! 外断熱

本日、本誌でご紹介した建築家の小川善博さんから連絡があり、1週間ほど前に、小川さん設計で北海道で建てる住宅の打合せに北海道へ出張された時の話です。断熱性能にこだわりのある北海道の工務店(ここで施工するそうです)が施工した中標津の山荘での体験です。中標津で積雪40cm(今年の北海道は大雪とか)、外気温-18℃の時に2週間人気の無かった山荘内の室温が18℃だったそうです。もちろん、暖炉やストーブといった暖房設備を使わない状況でです。人気がなくて7〜8℃、人がおれば生活熱だけで18℃程度になるというのが外断熱を行った北海道の標準的な住宅の性能ですから小川さんも、これにはびっくりしたそうです。これで断熱材は壁が150mm、屋根が300mm、もちろんきっちり施工されていたのはいうまでもないことです。こんなに高性能を発揮する外断熱ですが、目下の最大のネックはコストです。延べ30坪位の住宅で従来の内断熱なら断熱費が材料と施工費合わせて約30万円余りですが、外断熱にすると3倍近い100万円近くかかります。施工費はほとんど同じですから、結局材料費の差ということです。性能を取るか、コストを取るか難しいところです。ただ、小川さんのように最初に設置する空調機を極力減らして、必要なら追加設置することにすればその分のイニシャルコストの差額と、空調費のランニングコスト、さらに結露しないので住宅が長持ちすることも見逃せないことです。考えようによれば、住宅性能的にエアコンの要らない家にして欲しいという要望が実現される可能性も極めて高くなったといえます。あらためて外断熱を見直しました。◆

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