低迷する日本経済の下、30代の一般的なサラリーマンが住宅にかけられる予算は、もはや1,500万円〜2,500万円といわれています。しかし、100%オリジナルでなくても、住み手の暮しに合ったシンプルで機能的なプランで、将来の家族や暮しの変化に応じて住み替えが効き、家族全員がそこそこ快適に暮らせる住宅は建てられるはず。そこで、建築家の皆さんからプロトタイプ住宅のプランを募集したところ、12名の建築家から13プランをご応募いただきました。
いずれも、上記の関西の都市型住宅に固有の狭小間口で奥行の深い敷地に対応したプランです。いずれも以下の想定条件をクリアした13プランを一挙発表、人気コンテストします。
人気コンテストの結果、人気の高かったプランについては「カーサウエストの家」として、読者から希望者を募って実際に建ててみたいと思います。実際に建築される場合は、応募された建築家を建築主にご紹介し、実施設計と設計監理をお願いすることになります。また、建築の経緯や住み心地については本誌や当サイトでご紹介させていただくことになります。
なお、実際にいずれかのプランでお建てになる場合は、別途実施設計料として50万円(税別)が必要です。もちろん、各プランの設計建築家と打ち合わせ、家族構成や住まい方に合わせ、ある程度のプランの修正変更も可能です。
また、いずれも施工監理費として50万円(税別)が別途必要になります。
▼想定条件 top
[敷地条件][予算][工法][構造・強度][工期][想定建築主][設定条件]
■敷地面積 | 約25坪(約82.6平米) |
■敷地形状 | 間口:3間(5.4m) 奥行:約8間半(約15.3m) 北または東接道前面道路幅:6m 接道面以外の三方を隣家に囲まれた都市型敷地 |
■基礎形状 | 地盤は良好なものとし、ベタ基礎を標準とする |
■建ぺい率 | 60% |
■容積率 | 200% |
■用途地域 | 第1種住居地域 準防火地域 |
よく平均的な4人家族が快適な生活をするには約35坪の延べ面積が必要といわれます。今回は、関西圏の都市部に多い敷地ということで、より現実に即した間口3m、奥行き8間強、約25坪という狭小間口の敷地を想定しています。用途地域は都市部で最も多い第1種住居地域、準防火地域です。
なお、現実に建築される場合は、斜線制限、風致指定などの地行き毎の各種条例により、敷地規模は数字的に同じでもプランと同一の規模の住宅が建築できない場合もあります。
■建築費 | 1,800万円(税別) |
プラン毎に指定
建築基準法に定められた最低限必要な強度は確保しています。
着工から約6ヶ月
■世代 |
30代半ば |
■家族構成 | 夫婦+子供2名(小学生)4名 |
■階 数 |
自由(4名の家族がそこそこ快適に暮らせ、法に準拠したもの) |
■駐車場 | 1台(ミニバン、SUVクラスが駐車可能なこと) |
■子供室 | 必要(個室についてはどちらでも可、ただし将来的に間仕切るための対策は必要) |
■畳の空間 | アンケートで圧倒的な要望の多い空間です。大きさはプランにより異なります。 |
■素材 | 健康に悪影響を与えない自然系素材に限定(合板はE0・FC0以上) |
■バリアフリー | 想定建築主の年齢を考え、必要条件とはしていませんが、将来的に設置可能な対応は施されています。 |
■設備 | 厨房機器、浴室、洗面、便所、給湯、最低限必要な空調機器(家族室と主たる個室)を含みます。なお、メーカー及び機種はいずれもプラン作成時の設定機種となります。 |
■熱源 | ガスまたは電気 |
■環境型設備 | 太陽光発電・太陽熱利用・雨水利用・屋上緑化等 いずれもオプション(別途予算) |
環境への配慮は21世紀の住宅にとって、大きなテーマです。震災時における有用性もふまえ、いずれのプランにも、太陽光発電、太陽熱利用、雨水利用はオプションとして要望により設置可能となっています。(屋上緑化を除く)